完成前の購入では何が変わるのか
最初の調査では、開発業者の過去の実績と土地の権利関係、建築許可・承認済み図面、預託金の保全やエスクローの仕組み、完成遅延や仕様変更に対する契約上の救済を確認する。
未完成物件の購入は、不動産の取得であると同時に建設事業への参加でもある。予約金を払う前に、許容できる遅延期間、入居期限の有無、購入を見送る条件を決めておきたい。
完成した実物を検査できない段階で資金を投入するため、業者の信頼性と契約の執行可能性がとりわけ重要になる。分割払いなら初期負担は抑えられるが、その分、工事の進捗、遅延、仕様変更の影響を長期間受けることになる。
開発業者、土地、許認可を確認する
土地の所有権、都市計画上の許可、建築承認、開発業者の履歴に加え、遅延や仕様変更を契約がどう扱っているかを調べる。広告資料は、売買契約に明記された法的に行使できる権利の代わりにはならない。
モデルルームや立派なパンフレットは完成予想を示すもので、実際の引き渡し内容を保証しない。床面積、バルコニー、駐車場、収納、内装仕上げ、共用施設、完成時の許容誤差を、広告と契約仕様書で一項目ずつ照合しよう。価値や利用に関わる条件は営業担当者の説明だけでなく、拘束力のある書類に記載されている必要がある。
予約金を払う前に契約書を読む
購入者が各段階で得るのは何か。土地の権利なのか、将来完成する住戸なのか、契約上の請求権なのか、それとも別の法人の持分なのかを明確にする。開発業者がその権利を外国人に販売できるか、現地の独立した弁護士に確認してもらう。
売買契約書の草案は予約金の支払い後ではなく、その前に請求する。債務不履行、返金、完成期限の条項を早く確認するほど、ショールームの印象ではなく法的条件に基づいて物件を比較できる。
分割支払いと為替リスクを試算する
表示価格だけでなく、支払い時期ごとの資金繰りを組み立てる。予約金、工事の進捗に応じた支払い、税金、弁護士費用、家具、最終引き渡し費用は発生時期が異なり、工期が延びれば流動資金を圧迫しかねない。
支払い通貨が収入の通貨と異なる場合、長い工期の間に為替レートが動く。資金をあらかじめ確保するか、段階的に両替するか、最終支払額が高くなる可能性を受け入れるか、方針を決めておく。
分割払いは将来の流動性にも影響する。支払期限が先の資金でも、融資が不確実だったり購入通貨が収入通貨と違ったりするなら、早めに手当てする必要がある。将来の転売益や追加借入れを当てにしなくても後半の支払いを賄える予算が安全だ。
引き渡し、欠陥、利用、居住資格は別々に考える
予約契約や不動産購入、開発業者の紹介する制度によって、その国に住む権利が自動的に生じるわけではない。移住も購入目的に含まれるなら、入国・居住の制度を不動産取引とは別に確認する。
家賃収入を見積もる前に、工事中または完成直後の住戸を合法的に賃貸できるか、引き渡しや不具合対応を誰が管理するか、家具設置や許認可によって最初の入居者を迎えるまで何か月かかるかを調べる。
遅延のリスクは独立した資金計画に織り込もう。最終的に完成しても、引き渡しが遅れれば仮住まいの家賃、つなぎ融資、為替変動、繁忙期の賃貸機会喪失が生じる。期限延長、通知、補償、解除について契約の定めを確認する。12か月の遅れによる損失は、購入価格の小さな値引きより大きくなることもある。
計画や事情が変わった場合を想定する
署名前に出口を考える。未完成物件の契約は完成済み住宅より転売が難しく、契約上の地位の譲渡にも制限がありうる。事情が変わった際の譲渡方法、手数料、実際の買い手市場を把握したい。
完成前に円滑に撤退できるとは限らない。契約譲渡が制限されれば、引き渡しまで待つか、限られた買い手から相手を探すことになる。そのため解除権、譲渡費用、預託金の扱いは、後日の問題ではなく購入時から検討すべき条件だ。
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